こんにちは、レイレイです。
私が見ているデイサービスのオープンチャットで、この夏、5人の方が別々に、同じ種類の質問をしていました。
- 相談員が1人しかいない。その人が休んだ日は、基準を満たしていないのでは?
- 時短の相談員で、その日の実績は取れる?
- 機能訓練指導員と相談員は兼務できる?
- 施設長なのに介護職員に数えられている。これって、あるある?
- 実際には働いていない人をシフトに入れるのは、あるある?
どれも「うちのやり方、大丈夫?」という質問です。相談員として、国の基準と解釈通知をもとに1問ずつ答えます。
先にひとつだけ。最後に判断するのは、事業所を指定している自治体(市区町村や都道府県)です。資格の範囲など、自治体で違う部分があります。この記事は「国の基準はこう書いてある」という読み方までで、自分の事業所のことは担当課に確認してください。確認のしかたは最後に書きます。
Q1. 相談員が1人だけ。その人が休んだ日はどうなる?
答え:その日は、基準を満たしていません
通所介護の生活相談員の基準は、こう決まっています。
サービスを提供する日ごとに、提供している時間帯に相談員が勤務している時間の合計を、提供時間で割った数が1以上になること
たとえば提供時間が9時から16時30分(7.5時間)なら、その日のうちに相談員が合計7.5時間以上いることが必要です。1人だけの相談員が休んだ日は、勤務時間が0なので0÷7.5=0。その日は基準を満たしていません。
「減算はない」は本当。でも「問題ない」は間違い
ここが、この質問がこじれる原因です。
人員基準を満たさないときの減算(報酬が30%減る)は、看護職員と介護職員だけに決められています。相談員には減算の規定がありません。だから、相談員がいない日があっても請求は減りません。
でも、減算がないことと、基準を守らなくていいことは別です。相談員の基準を満たさない日があれば人員基準違反で、運営指導(旧・実地指導)で指摘され、改善を求められます。繰り返せば、指定の効力停止や取消につながります。
質問された方は、上司から「有給は取れと国が言っているんだから、相談員がいなくても問題ない」と言われたそうです。これは、有給の話と配置の話が混ざっています。有給は取っていい。その日に別の相談員がいればいい。それだけの話です。
やること:相談員の要件を満たす人を、もう1人登録する
もう1人採用する必要はありません。すでにいる職員の中で、相談員の資格要件を満たす人を、相談員としても登録します。管理者が要件を満たしていれば、管理者との兼務でかまいません(管理の仕事に支障がない範囲で)。
相談員の資格要件(社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士など。介護福祉士や介護支援専門員を認めるかは自治体で違います)は、担当課に確認してください。
Q2. 時短の相談員(8時30分〜16時30分)で、その日の実績は取れる?
答え:提供時間の全部にいれば、取れます
Q1の計算式に戻ります。提供時間が9時から16時30分で、その人が8時30分から16時30分まで相談員として勤務していれば、提供時間帯の勤務は7.5時間。7.5÷7.5=1で基準を満たします。
相談員に常勤の決まりはありません。時短でも、パートでも、提供時間帯をカバーしていれば大丈夫です。
注意はひとつ。その時間帯は「相談員として」の勤務でなければいけません。同じ時間を介護職員としても数えることはできません。相談員が入浴介助に入る日があるなら、勤務形態一覧表の上では、相談員の時間と介護職員の時間を分けます。
もうひとつ、知られていないことがあります。2015年度から、サービス担当者会議への出席、ご利用者さんのお宅への訪問、地域ケア会議など、事業所の外での仕事の時間も、相談員の勤務時間に入れてよいことになりました。担当者会議で外に出ている時間を「不在」と数える必要はありません。
Q3. 機能訓練指導員と相談員は兼務できる?
答え:両方の資格があればできます。ただし同じ時間を両方で数えない
機能訓練指導員(看護師、理学療法士、作業療法士、柔道整復師など)の資格と、相談員の資格要件を両方満たしていれば、兼務は可能です。
ただし、Q2と同じ決まりが効きます。相談員として数える時間と、機能訓練指導員として働く時間は、別々に分けます。午前は相談員、午後は機能訓練、のような形です。
もうひとつ。個別機能訓練加算を算定しているなら、加算の要件で「専従の機能訓練指導員」が必要です。加算の要件として数えている時間帯は、相談員としては数えられません。加算を取っているデイでは、兼務がかえって難しくなる場合があります。
Q4. 施設長なのに介護職員に数えられている。あるある?
答え:あるあるです。そして、ルール上は認められています
管理者は「常勤で、専ら管理の仕事に当たる」のが原則です。でも基準には続きがあって、「管理上支障がない場合は、その事業所の他の職務に従事できる」と書かれています。つまり、管理者が介護職員・相談員・機能訓練指導員を兼ねることは、認められています。
管理者が介護職員として働いた時間は、介護職員の人数(常勤換算)に入れてかまいません。小さなデイで、施設長が入浴介助にも入るのは、この決まりのとおりです。
「支障がある」と見られるのはこんなとき
- 緊急時に、管理者が現場へすぐ戻れない状態になっている
- 管理する事業所が多すぎる
- 併設の入所施設で、介護職員や看護職員として働いている(ごく短い時間を除く)
質問された方は「現場にいるので、管理の仕事が終わらない」と書いていました。それ自体が「支障が出ている」サインです。ルール違反ではありませんが、勤務形態一覧表の上で「管理の時間」を先に確保しておかないと、書類の期限切れが起きて、そこで指導を受けることになります。
Q5. 実際には働いていない人をシフトに入れる。あるある?
答え:あるあるではありません。指定取消の代表的なパターンです
勤務形態一覧表は、自治体に「このとおり人を配置しています」と示す書類です。働いていない人を載せるのは、虚偽の届出です。
実際にあった処分の例を挙げます。
- 勤務実態のない看護職員(機能訓練指導員兼務)が勤務しているように勤務表を作り、提出した
- 常勤ではない管理者と相談員を、常勤であるかのように勤務表に記載した
- 看護職員がいない日があったのに、タイムカード・勤務表・サービス提供記録を作り替えて請求した
結果は、指定取消と、さかのぼっての報酬返還(加算金つき)です。事業所がなくなれば、ご利用者さんは行き場を失います。
「みんなやっている」と言われたら
書類を作った人にも責任が及びます。「自分が作る書類には、実態のない人は載せられません」とだけ伝えて、断ってください。もし断れない状況なら、自治体の担当課には相談の窓口があります。
5問の答えを1つの表に
| 質問 | 答え | 減算 |
|---|---|---|
| Q1 相談員1人が休んだ日 | 基準を満たしていない。別の相談員(管理者の兼務でも可)を登録する | なし(でも基準違反) |
| Q2 時短の相談員で実績 | 提供時間の全部にいれば取れる。常勤の決まりはない | — |
| Q3 機能訓練指導員との兼務 | 両方の資格があれば可。時間を分ける。個別機能訓練加算の専従時間は数えられない | — |
| Q4 施設長が介護職員に | 管理に支障がなければ認められている | — |
| Q5 実態のない人をシフトに | 虚偽の届出。指定取消の代表例 | 返還+処分 |
「減算がない」は「安全」ではありません。相談員の基準は、減算という形では見つからないので、運営指導のときに初めて指摘されます。
自治体への確認のしかた
「自治体に確認してください」と書きましたが、電話で聞くと、答えが残りません。メールか、自治体のQ&A窓口で、文章で聞いて、返事を残すのをおすすめします。聞き方の例です。
「生活相談員の配置について確認させてください。当事業所の提供時間は9時から16時30分です。相談員が1名で、その者が休暇の日に、介護福祉士の資格を持つ管理者が相談員として勤務する形で、基準を満たすと考えてよいでしょうか」
返ってきた答えは、勤務形態一覧表と一緒に保管しておきます。運営指導のとき、「自治体に確認したうえで、この形にしています」と言えるのは強いです。
まとめ
- 相談員の基準は「提供時間帯の相談員の勤務時間÷提供時間が1以上」。1人だけの相談員が休んだ日は満たしていない
- 相談員に減算はない。でも基準違反で、運営指導で指摘される
- 時短でも、提供時間の全部にいれば大丈夫。同じ時間を介護職員と二重に数えない
- 管理者の兼務は、管理に支障がなければ認められている
- 働いていない人をシフトに載せるのは、指定取消の代表例
- 自分の事業所のことは、自治体に文章で確認して、返事を残す
根拠にした資料
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第93条/地域密着型通所介護は「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」第20条
- 厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会(第114回)資料「通所介護の報酬・基準について」(相談員の勤務時間に事業所外の時間を含める見直し)
- 水戸市「通所介護・地域密着型通所介護 Q&A(人員基準)」(自治体Q&Aの例。相談員に減算規定がないこと、基準遵守の徹底が書かれています)
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