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デイサービスの熱中症対策、現場16年で実践している地道なこと【2026年版・全国対応】法改正・補助金・送迎・入浴・シフト

業務改善

こんにちは、レイレイです。

先日、私が見ているデイサービスのオープンチャットで、こんな質問がありました。

「皆さんの事業所で、暑さ対策や災害時対策で何を購入予定でしょうか?」

毎年迷うところです。物を揃えるのにもお金がかかるし、補助金もあるけど都道府県で違う。そもそも、お金をかけずに今日からできる工夫だってたくさんある。それなのに「とりあえず去年と同じ」で済ませてしまう年もありました。

デイ豆

デイ豆:「レイレイ〜、その質問、うちの管理者にも来そう…。でも答えるネタが浮かばないよ〜」

レイレイ:「大丈夫、今日はうちで実際にやってる地道なこと、ぜんぶ出すから。お金をかけない工夫もたくさんあるよ。あと、2025年6月から法律が変わって、対策が義務になったの、知ってた?」

デイ豆

デイ豆:「えっ、義務!?知らなかった…まずそこ教えて〜」

2025年6月、労働安全衛生規則の改正で、職場の熱中症対策が事業者に法的に義務化されました。デイサービスも当然対象です。「やったほうがいい」から「やらないと違反になる」フェーズに切り替わっています。

この記事では、

  • 国の法改正で「最低限やらなきゃいけないこと」
  • 補助金の活用方法(東京都の例+他県の調べ方)
  • そして、うちのデイが現場16年で実際にやっている、地味だけどお金がかからない工夫を全部

書きます。明日からそのまま真似できる内容にしました。


前提:2025年6月、熱中症対策は法的義務になりました

細かい条文は専門サイトに譲って、現場が押さえるべき要点だけ。

改正の概要

  • 施行:2025年6月1日(公布は2025年4月15日)
  • 根拠:労働安全衛生規則の改正
  • 対象:業種を問わず、熱中症リスクのある環境下で作業をさせるすべての事業者。入浴介助・送迎・屋外活動のある介護・福祉は当然対象

事業者に求められること(最低ライン)

  1. 発症時の報告体制を整備——誰がどの順番で動くかを書面化
  2. 悪化防止のための措置を準備——応急処置キット・搬送ルート・救急要請の判断基準
  3. 従事者への周知——研修・掲示・口頭指導のいずれかで全員に伝える

これは「マニュアルを作って終わり」ではなく、「現場のスタッフ全員がそれを知っている状態」を作るのが本旨です。書類だけ整えて中身が伴わないと、実際の発症時に動けません。

デイ豆

デイ豆:「うわ、マニュアルだけ作って満足してたかも…どこから手をつければいいの〜?」

レイレイ:「明日の朝礼で1分だけでいいから『熱中症の人が出たら、誰がまず救急車を呼ぶ・誰がご家族に連絡・誰が他の利用者さんを見る』を口頭で確認するだけでも、最初の一歩としては立派だよ。マニュアルは後から肉付けでもOK」

WBGT(暑さ指数)の運用

厚労省・環境省ともに、職場の熱中症リスク判定にはWBGT指数を用いることを推奨しています。市販のWBGT計は数千円から購入できます。

  • WBGT 28℃以上:警戒(積極的な水分補給・休憩を増やす)
  • WBGT 31℃以上:厳重警戒(連続作業の制限・頻繁な休憩)
  • WBGT 33℃以上:原則として屋外作業や身体介助の中止判断

環境省の熱中症予防情報サイトでは、地域別のWBGT値が公開されているので、観測機がなくてもサイトの値で記録を残せます。


ここから本題:うちのデイが「お金をかけずに」やっている地道なこと

正直に書きます。当たり前のことばかりです。でも、「当たり前を全部やる事業所」と「やらない事業所」では、夏のスタッフの消耗がまったく違います。

16年現場にいて気づいたのは、熱中症対策は派手な物よりも、地味な仕組みの積み重ねが効くということです。

デイ豆

デイ豆:「やっぱり高い物を買わないとダメなのかな…うち、予算そんなにないよ〜」

レイレイ:「逆!お金をかけられる事業所ほど派手な物に走るけど、本当に効くのは シフトの組み方とか、冷蔵庫の中身とか、送迎前のひと手間だったりするんだよ。次に出てくるリスト、ぜんぶうちでやってることだから」

送迎まわり——一番リスクの高い時間帯

  • 送迎車にサンシェードを全車両に装備。停車中の車内温度を下げる効果が大きいです
  • 窓に遮熱フィルム——車内温度の上がり方が確実に違います
  • 40分前後かかるロングコースの車内には、ペットボトルのお茶と紙コップを常備。乗車中にご利用者が「のど乾いた」と言ったときに、すぐ出せる状態にしておく
  • 送迎前にエアコンを事前冷却——出発5〜10分前にエンジンを始動して冷やしてから利用者宅へ向かう。乗ってもらった瞬間の体感が違います
  • 駐車場・車両への打ち水を出発30分前ぐらいに直前すぎると湯気で逆に蒸し暑くなるので、時間調整が大事です

入浴介助——デイで一番過酷な仕事

私は訪問入浴介護も経験していますが、夏場の入浴介助は本当に消耗します。湿度・温度・体力の三重苦です。職員の体を守れない事業所は、利用者さんも守れません。

  • 入浴介助スタッフ全員に首ひんやり剤を配布。冷凍庫で凍らせて休憩のたびにスタッフがローテーションで使えるように
  • キッチンにミニ扇風機——盲点になりやすいエリア。火を使う場所が暑くなるので必須
  • 冷蔵庫に、スタッフが自由に飲めるスポーツドリンクとお茶を常備。「自分の飲み物は自分で買って」だと、暑い日でも我慢してしまう人が出ます。事業所として用意することに意味があります
  • シフトの工夫:入浴介助に入ったスタッフは、その日の夕方の送迎を可能な限り外す。これがいちばん効きます。物より、スタッフの体力配分のほうが大事

シフトの工夫はお金が一切かかりません。でも、管理者がそこまで考えてくれるかどうかで、夏の職場の空気が変わります。

フロア・窓まわり

  • 窓に屋内用のサンシェード/遮熱カーテン——西日の入る窓は最優先
  • 室内温湿度計を複数箇所に分散設置。フロア/浴室/脱衣/玄関に1台ずつあると、エアコンの効きムラが把握できます
  • 休憩スペースには冷却タオルを置いておく

今年検討中のもの——正直なメリデメ

逆に、「これは入れたいけど、まだ踏み切れていない」物も正直に書いておきます。同じように迷っている事業所さんの参考になれば。

グリーンカーテン

遮熱効果は確かにあるとされていますし、利用者さんとの植え替え・水やりがレクにもなる。ただ育てるのに時間がかかるのと、虫・落葉のメンテナンスが意外と手間で、毎年実行に移せていません。やるなら4月初旬には植え付けないと夏に間に合わない、というのも踏み切れない理由のひとつです。

ペルチェ式冷却ベスト(電子冷却ベスト)

建設現場や倉庫業界で広がっている冷却ベスト。介護現場でも入浴介助・送迎時に有効そうですが、

  • 1着あたり2〜4万円と価格が高め
  • 充電式のため、シフトが回るたびに充電管理が必要
  • 防水機能のレベルがメーカーによって差がある(入浴介助で使うなら必須要件)

このあたりが選定の難しさです。導入している事業所さんがいたら、使用感を教えてもらえると嬉しいです(コメントでも👇)。

デイ豆

デイ豆:「2万円かぁ…全員ぶんは厳しいよね…」

レイレイ:「そうなんだよね〜。だからまずは『入浴介助担当の人だけ2着』みたいに、いちばん過酷な仕事をしてくれてる人から配るのが現実的かな、と考えてる。全員一斉じゃなくていい」

空調服(ファン付き作業着)

送迎担当には有効そうですが、介護現場では「移乗時にファンが利用者さんに当たって不快」という声もあり、職種ごとに使い分けが必要そうです。


補助金の活用——自分の都道府県を必ず確認する

暑さ対策の物品購入には、都道府県・市町村が独自に補助金を出しているケースが増えています。「うちにはない」と決めつけず、毎年6月頃に1度は確認するのをおすすめします。

東京都の例(令和8年度)

東京都の「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」は、通所介護・地域密着型通所介護・特養などが対象で、猛暑・災害対策の物品購入経費を補助します。

  • 事前申請受付:令和8年6月1日(月)〜9月30日(水)
  • 補助対象期間:令和8年4月1日〜11月30日に購入した物品(訪問系暑さ対策メニューは令和8年1月1日から)
  • 上限額:職員規模で段階設定(公式の補助内容一覧表を参照)

都内事業所の方は 東京都福祉局の公式ページ を必ずチェックしてください。

都外の事業所が補助金を探す手順

  1. 都道府県の福祉部(介護保険課・高齢福祉課)のサイトで「サービス継続支援」「BCP補助」「暑さ対策補助」「熱中症対策補助」で検索
  2. 市町村の介護保険担当課にも、独自上乗せがある場合あり
  3. 所属の地域包括支援センター事業者連絡会に直接問い合わせるのが結局いちばん早い

「毎年同じ補助金しかない」と思っていても、2025年6月の法改正をきっかけに、新しい補助制度が立ち上がっている自治体もあります。少なくとも年1回はチェックする習慣を。


対策→業務効率→定着率、という地味な循環

最後に、いちばん書きたかったことを。

暑さ対策は、「いつかの誰かの熱中症を防ぐ」ためだけのものではありません。夏に職員さんがすり減らない事業所は、夏明けの体力残量も違います。10月・11月の業務効率が変わる。次の夏に向けて辞めずに済むスタッフが増える。定着率が上がる

逆に、「精神論で乗り切れ」「水分は休憩時間に自分で買って」を続けている事業所は、夏が終わるたびに何人か辞めていきます。それは熱中症対策の費用より、ずっと高くつく代償です。

事業所がしっかり対策を講じることは、職員の体を守るためでもあり、利用者さんへのサービスの質を守るためでもあり、結果的に事業所の経営を守るためでもある。私はそう思っています。

派手な物を買う前に、シフト一つ・冷蔵庫の中身一つ・送迎前のエアコン一つ、見直せるところはたくさんあります。この記事のリストの中で、「うちでも明日からできる」と思ったものから一つでも始めてもらえたら嬉しいです。

「うちの事業所ではこういう工夫してる」というのがあれば、ぜひコメントで教えてください。私も勉強させてもらいたいです。


参考リンク

——レイレイ(介護現場16年目・生活相談員11年目)

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