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なぜ皮膚科はあんなに混む? 高齢のご家族の通院をラクにする待ち時間のコツ

相談員のお悩み

「皮膚科に行ったら2時間待ち…」高齢のご家族の付き添いだと、待つだけでぐったりしてしまいますよね。あの行列、実は“その病院が人気だから”だけではありません。皮膚科という科そのものの事情があるんです。仕組みがわかると、混雑を避ける手も見えてきます。

あの行列、4つの理由が重なっています

① そもそも患者さんの数が多い科だから

皮膚科には、いろんなお悩みの方が一度に集まります。

  • 長くお付き合いする病気:乾燥によるかゆみ、湿疹、水虫、乾癬 など(定期的に通院)
  • 季節で増えるもの:あせも、虫さされ、帯状疱疹、冬の乾燥肌 など
  • 急に起きるもの:かぶれ、じんましん、できものの化膿 など

これが全部、皮膚科ひとつに来ます。とくに高齢の方は、加齢による乾燥・かゆみ・帯状疱疹などで受診される機会が多く、患者さんの母数がもともと大きいのです。

参考までに、アトピー性皮膚炎の患者数だけでも、2008年の約35万人から2017年には約51万人へと増えています(厚生労働省・患者調査)。皮膚のお悩みで病院にかかる人は、年々増えているんですね。

② 皮膚科のお医者さんが足りていない

実は皮膚科は、お医者さん1人あたりが診る患者さんの数が、全科の中でいちばん多いと言われています。地方の病院では「皮膚科の常勤医がたった1人」ということも珍しくなく、1日に100人〜200人を診ているお医者さんもいるほど。数が足りないところに患者さんが集まれば、当然、待ち時間は長くなります。

③ 「予約だけ」にしづらい科だから

「じゃあ完全予約制にすればいいのに」と思いますよね。でも皮膚科は、それが難しい科なんです。

急にかぶれた」「じんましんが止まらない」「できものが化膿してきた」——こうした“今日すぐ診てほしい”患者さんが毎日一定数いらっしゃいます。予約の方だけで埋めてしまうと、こうした方を診られません。そのため、多くの皮膚科が当日の順番待ち(先着順)を残しています。これが行列になりやすい大きな理由です。

④ 「短い時間でたくさん診る」仕組みになりやすい

皮膚科は患部を見て診断することが多く、1人あたりの診察を短くしやすい科です。日本の医療費の仕組み上も、多くの患者さんを診たほうが病院は成り立ちやすい構造になっています。結果として「短い時間でどんどん回す」体制になり、診察は数分でも、待合室には人がたまるという状態が生まれます。

まとめると

患者さんが多い × お医者さんが足りない × 急患がいるから予約だけにできない × 短時間で大量に診る仕組み。この4つが噛み合って、皮膚科は“構造的に”混みやすいのです。けっして受付の方やお医者さんの怠慢ではありません。

待ち時間をラクにする、5つのコツ

仕組みがわかったところで、付き添いの負担を減らす工夫をご紹介します。

  1. 混む時間を避ける:いちばん混むのは土曜の午前と平日の夕方18時以降。可能なら平日の午前なかば(10〜11時ごろ)や昼すぎがねらい目です。
  2. ゴールデンウィーク明けは特に混む:連休明けの1週間は1年でいちばんの繁忙期。急ぎでなければ時期を少しずらすのも手です。
  3. ネット順番受付・呼び出しサービスを使う:スマホで順番をとって、自分の番が近づいたら呼んでくれるクリニックが増えています。その間は車や近くで休んで待てるので、ご本人を待合室で長時間すわらせずにすみます。受診前に病院のホームページを確認してみてください。
  4. おくすりだけなら「継続処方」を相談:いつもと同じ塗り薬・飲み薬の継続なら、症状が落ち着いているときにまとめて処方してもらえないか相談を。通院の回数そのものを減らせることがあります。
  5. 付き添いの負担を一人で抱えない:毎回の通院がご家族の大きな負担になっているなら、通院の付き添いサービスやかかりつけ医での相談という選択肢もあります。一人で背負わず、まわりを頼ってくださいね。

デイサービス相談員より ― 入浴で気づくスキントラブルと、受診のすすめ方

デイサービスでは、入浴のときにご利用者のスキントラブルに気づくことがよくあります。乾燥や湿疹、かき傷、おむつまわりの赤みなど、ご自宅では見えにくい部分の変化に、私たちが最初に気づくことも少なくありません。

「気づいたらすぐ皮膚科へ」と思われるかもしれません。でも実際は、ここまでお伝えしてきたとおり、皮膚科は予約が取りにくく、付き添うご家族の負担も大きいのが現実です。だからこそ相談員は、こうした背景まで踏まえたうえで受診をご提案するよう心がけています。

理想は、ケアマネジャーや訪問看護など、関わる支援者みんなで情報を共有しておくこと。日ごろから小さな変化を見守って記録しておけば、いざというときに「本当に受診が必要なサインか」を見極めやすくなります。ご家族に負担をかけず、本当に必要なときに、すみやかに受診していただける——そんな支え合いの体制をつくれたら理想的だなと、現場で日々感じています。

待つ時間は、ご本人にもご家族にも体力がいります。仕組みを知って、少しでもラクに、おだやかに受診できますように。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。

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