こんにちは、レイレイです。デイサービスの相談員になって11年目、現役で続けています。
毎年この時期になると、テレビの天気予報を見ながらドキドキする日が増えてきます。台風。デイサービスの相談員にとっては、ふだんの業務に 休業判断・連絡・連携・記録 が一気に乗ってくる、いちばん神経を使う場面のひとつです。
今日は、私がいつも回している 「相談員が対応すべき5つのこと」 を、明日からそのまま使えるかたちで整理してみます。台風が「直撃しそう」と思った時点で、この5つを順番に動かしていけば、現場が大きく崩れることはほぼありません。
① 早めの「休業・送迎中止」の判断と連絡網の起動
いちばん時間がかかるのが、ご利用者・ご家族への連絡です。だからこそ、判断は 「早めに、仮でいいから出す」 が鉄則。
- 気象庁・自治体の警報・暴風域の予報を、前日17時時点でいったん確認
- 管理者・上司と相談して、「中止」「短縮」「通常」の3パターンの仮判断を立てる
- 連絡網は 電話+SMS+公式LINE など多重で起動。電話だけだと、ご家族が出られない時間帯に届かない
- 確定判断は朝7時頃に出し、ケアマネ・送迎担当・厨房・ご家族の順で伝える
大事なのは、「決まってから連絡」ではなく「決まる前から事前予告」を入れること。「明日◯時に最終判断を出します」と前夜にお伝えしておくだけで、ご家族の朝の準備がぐっと変わります。
送迎する場合の、現場でやれる小さな備え
「短縮」「通常」の判断で送迎を回すことになった場合、当日の 装備と段取り で安全レベルが大きく変わります。私たちが現場で気をつけているポイントを並べておきます。
雨と冷えへの装備
- 車いすのご利用者には ポンチョ+バスタオル をワンセットでご用意(カッパは脱着が大変なため)
- 替えの 靴下・タオル を予備で多めに積んでおく
- 季節によっては 使い捨てカイロ も併用
送迎車そのものの取り扱い
- 車両の扉に要注意:強風で 勢いよく閉まる ことがあり、指挟みのヒヤリハットが起きやすい場面
- 扉の開閉時は、必ず もう一方の手で支える。声かけ「閉めまーす」も意識して
- 乗降中はエンジン・暖房を切らない(寒さで体調が崩れやすい時期は特に)
送迎範囲の見直し
- 普段は門の前までの送迎でも、台風当日は 玄関までお送りする など、安全が確保される場所まで一歩踏み込む
- そのために、可能な限り 「添乗ありの便」 に組み替えておく(運転手1人だと玄関までのご案内が物理的に難しい)
- 雨の中の徒歩誘導はリスクが高いので、車から玄関までの距離が短い経路 を意識して回る
「平時と同じ送迎」を貫こうとせず、台風モードの送迎 に切り替える——この発想を、相談員から運転手さん・添乗職員さんと事前に共有しておきます。
お帰り時:乗り込みは一人ずつに
帰りの送迎で、ご利用者全員を一気に車にお乗せしようとすると、どうしても 慌ただしくなり、転倒や指挟みのリスクが上がります。台風の日は思いきって、「乗り込みは一人ずつ」 の段取りに切り替えます。
- お一人を完全にお席に固定してから、次の方のご案内に入る
- 玄関〜車の動線も、お一人ずつ職員が同行(傘・ポンチョ・歩行支援を1対1で)
- 車内でお待ちいただく時間は気にせず、ご本人のペースを優先
- 慌てて並ばないですむよう、出発時刻もいつもより少し早めに設定
「いつも通り、まとめて」を 一旦やめる だけで、ヒヤリハットはぐっと減ります。少し時間はかかりますが、雨と風の中で 「ひとつずつ確実に」 が、結局いちばん早くて安全です。
② ハイリスクのご利用者を事前にリストアップ
休業を決めた場合でも、「ご自宅で過ごすのが本当に大丈夫な方」と「そうではない方」がいます。事前にリストアップしておくべき方 はおおむね以下です。
- 独居のご利用者
- 医療依存度が高い方(酸素・透析・経管栄養・電動ベッド・吸引)
- ご家族が日中いない、または高齢のみのご家庭
- 家屋の構造(築年数・浸水想定・斜面)で 避難判断が必要そうな方
- 認知症で 休業の理解が難しい方(ご家族が不安になりやすい)
このリストは、台風前に 都度作るのではなく、年に1回更新 しておくのが理想です。私は毎年6月の梅雨入り前に一度見直すルーティンにしています。
該当する方には、休業の連絡だけでなく 「困ったら遠慮なく電話してください」「市の避難情報も合わせて確認しています」 と、一言添える。これだけでご家族の心の負担がだいぶ違います。
特に注意したい3パターン
- ヘルパー送り出しがあるご利用者:朝の送り出しがないと出発できない方。ヘルパー事業所の動きと連動するので、訪問介護事業所への 事前一報 を忘れずに。
- 独居・認知症で、食事の準備が必要な方:休業をお伝えしても、ご本人だけで昼食を準備するのは難しいことも。配食サービス・ご家族応援 の確保を早めに段取りする。
- サ高住・住宅型有料老人ホームにお住まいの方:住まいの フロント・相談員・ホーム長 への早めの連絡が、ご利用者の安全のカギです。施設側に「今日はこういう対応です」を伝えるだけで、住まいの中での見守りが厚くなります。
③ ケアマネ・関係事業所との連携
ご利用者がデイを休んでも、同じ日に 訪問介護・訪問看護・福祉用具 などの他サービスが入る場合があります。逆に、こちらが休業すると訪問サービスにそのしわ寄せがいくことも。
- 休業判断が決まったら、担当ケアマネさんへ即連絡。連絡手段は事業所ごとに違いますが、現場感としては 電話とFAXがまだ主流です
- FAX複合機の 「居宅事業所への一括送信グループ」 を事前に登録しておくと、台風当日に 1操作で全社に 通知が届きます。準備さえしておけば、いちばん早くて確実
- 同日に他サービスの予定があるご利用者は、関係事業所にも一報
- 訪問サービスが入れない場合の代替(ご家族に一時的にお願いする等)も、ケアマネさんと一緒に考える
- 事業所の 運営状況・職員配置 は、ケアマネさんから他のご利用者・ご家族にもお伝えいただける
「ケアマネさんから連絡したほうが、ご家族がスムーズに受け入れてくれる」というケースもあります。一人で抱え込まず、担当ケアマネさんを巻き込む のが、相談員の腕の見せどころです。
④ スタッフの安全確保とシフトの柔軟化
ご利用者対応に意識が向きがちですが、職員さん自身の安全も同じくらい大事です。職員さんが事故にあえば、翌日以降の運営が崩れます。
- 通勤経路に 河川・冠水しやすい道・橋・斜面がある職員さんを把握しておく
- 暴風警報が出ている時間帯の 無理な出勤を避ける運用ルールを、管理者と決めておく
- 休業日でも 最低限の対応職員(電話番・問い合わせ対応)を1〜2名残す
- 泊まり込みの選択肢を、事前に検討(前夜から事業所近くのホテルに、または事業所に泊まれる体制)
- 休業翌日の出勤可否を、夜のうちにスタッフLINE等で確認
「来られる人が来る」ではなく、「来ない選択肢を、組織として認める」 姿勢を、相談員から管理者にも伝えておきます。職員さんの命と安全が最優先、というメッセージは、何度でも発信していい場面だと思います。
⑤ 事後の安否確認・記録・サービス再開判断
台風が過ぎ去ったあとも、相談員のお仕事は続きます。むしろ 「過ぎたあと」の動きで信頼が決まる と言ってもいいです。
- ハイリスクリスト(②)の方から順に、お電話で安否確認
- 停電・断水・浸水・けがの有無を、シンプルなチェック項目で確認
- ご家族・ご本人が困っていることがあれば、ケアマネさんに即共有
- 事業所の 被害状況(雨漏り・停電・送迎車・ガラス・周辺道路)を写真で記録
- 翌日の サービス再開可否を、管理者・送迎担当と判断(道路状況・停電復旧で左右される)
- 休業した日・短縮した日の 記録を、ケース記録と運営日誌の両方に残す(BCPの観点でも重要)
記録は 「やったことの証明」 でもありますが、もうひとつ大事なのは 「次の台風のための振り返り資料」 として残すこと。「どの判断がよかったか/何が遅れたか」を1ページのメモにしておくと、毎年の対応が一段ずつ磨かれていきます。
5つをまとめた、相談員向けチェックリスト
📋 台風前後・相談員チェックリスト
【前日 17時】
□ 警報・暴風予報を確認/□ 仮判断を3パターン立てる/□ 連絡網を予告起動/□ ハイリスクリストを最新化/□ ケアマネさんに事前一報(FAX一括送信グループの登録状況も確認)/□ ポンチョ・バスタオル等の装備を確認/□ 添乗ありの便へ送迎を再編/□ ヘルパー事業所・サ高住など連携先へ事前連絡
【当日 7時頃】
□ 最終判断を確定/□ ご家族・関係事業所に連絡/□ 出勤可否を職員に確認/□ 残留職員の役割分担/□ お帰り送迎は「一人ずつ乗降」の段取りを職員間で共有
【台風通過後】
□ ハイリスク順に安否確認/□ 事業所被害を写真記録/□ 翌日再開可否を判断/□ ケース記録・運営日誌に記載/□ 振り返りメモを1枚作成
PDFや印刷物にして、事務所のホワイトボードに貼っておくと、当日のバタバタの中でも順番を見失わずに済みます。
気をつけたいこと
- 「うちは大丈夫」が一番危ない。例年通りで進める判断こそ、毎年見直す
- BCP(事業継続計画)と連動させる。台風対応は 感染症BCP・災害BCPの実地訓練でもある
- 休業判断は 収支より安全を優先。「休業すると売上が…」の声が出る場面でも、相談員は安全側に立つ
- ご利用者ご本人・ご家族に 必要以上の不安を与えない言葉選びも、相談員の大事な仕事
- 地域の 避難所情報・福祉避難所の連絡先は、年1回必ず更新
まとめ
- ① 早めの判断と連絡網起動(前日17時から仮判断)
- ② ハイリスクご利用者のリストアップ(年1回更新)
- ③ ケアマネ・関係事業所との連携(巻き込んで進める)
- ④ スタッフの安全確保とシフト柔軟化(来ない選択を組織として認める)
- ⑤ 事後の安否確認・記録・再開判断(次の台風への振り返りまで)
台風対応は、毎年やっていることでも、毎回 少しずつ磨ける 仕事です。「去年より、ちょっとうまく回せた」と思える日が積み重なれば、ご利用者・ご家族・職員さんの安全がじわじわ底上げされていきます。
無事に、今年も乗り切れますように。
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—— レイレイ(デイサービス相談員)



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