勤務交代の申し送り。話を聞きながら、片手でメモを取る。書ききれなくて「すみません、もう一回」とお願いする。終わったあと、走り書きを見ながら清書する——この一連が、地味に毎日15分20分を持っていきます。
しかも急いで書いたメモほど、あとから読めません。「1601の方 → 夜間3回」とだけ書いてあって、3回が何だったのか思い出せない。そんな経験、ありませんか。
そこで、申し送りを録音して止めるだけで、ご入居者ごとに整理されたメモができる無料ツール「やさしい申し送りメモ」を作りました。書く作業そのものを、まるごとなくすためのツールです。
こんな場面、ありませんか
- 申し送りを聞きながらメモを取るのが追いつかず、聞き返してしまう
- 走り書きのメモが、あとで自分でも読めない・思い出せない
- 受けた申し送りを、あらためて清書する時間が毎日かかっている
- 口頭だけなので、あとから「あれ何だったっけ」と確認できない
- メモを取ることに気を取られて、話の中身が頭に入ってこない
録音して止めるだけ。書く作業がなくなります
使い方は3ステップです。
- 🎙 録音を開始を押して、ふだんどおり申し送りを進める
- 終わったら⏹で止める。数秒でAIが文字に起こします
- ✨ AIで整理するを押す
これだけで、話の順番のままご入居者ごとの塊に分かれ、排泄・食事・体調といったカテゴリごとに1行ずつ整理されます。次の勤務へのお願いは、その方の最後に「→ 」の行でまとまります。あとは🖨 印刷(A4・1枚)を押せば、そのまま申し送り用紙になります。
手直しもできます。文章を直したあとで録音を足して「もう一度整理」を押しても、直した内容は保たれたまま、追加分だけが反映されます。せっかく直したのに元に戻された、が起きないようにしてあります。
「1601の方」と言っただけで、お名前が入ります
申し送りでは、お名前ではなく居室番号だけで話が進むことがよくあります。「1601の方、夜間3回」のように。あとで読み返すとき、番号だけだと結局台帳を引くことになります。
このツールは、あらかじめ登録した名簿と居室番号を突き合わせて、見出しを【1601 田中】のかたちにします。その居室に複数の方が登録されているなど、どなたか確定できないときは、勝手に決めつけず聞き取ったままの表記で残します。
この突き合わせは端末の中だけで行っていて、お名前はAIには送っていません。AIに送られるのは①②のような記号に伏せた文だけです。
「伊藤さん」が「伊東」になる問題への対策
音声認識でいちばん困るのが、お名前の変換です。伊藤さんが「伊東」、斉藤さんが「斎藤」と出てしまう。毎回手で直すのは現実的ではありません。
そこで名簿に、「まちがって出る名前」を登録できるようにしました。伊藤さんの欄に「伊東」と入れておけば、次からは正しく伊藤さんとして扱われます。1文字の姓(原さん・森さんなど)が「原因」のような普通の単語に反応してしまう問題も、あわせて対策しています。
夜→早、早→日。申し送りの種類ごとに分けて残せます
同じ日でも、夜勤から早出への申し送りと、早出から日勤への申し送りは別ものです。このツールはその種類をワンタップで切り替えて、別々に保存します。夜→早/夜→日/早→日/早→遅/遅→夜/医務→介護をはじめから用意していて、「ショート」「入退所」など施設に合わせた種類も自由に追加できます。
フロア構成も設定できるので、複数フロアのある施設でもフロアごとに分けて使えます。過去の申し送りは🗂 一覧から日付・時刻つきで開けます。
聞き返したいときのために、声も残せます(任意)
設定をオンにすると、録音した声そのものも端末に保存され、あとから▶で聞き返せます。文字になったものだけでは判断しきれないとき、実際の言い方を確かめられます。声は7日で自動的に消えます。声にはご入居者のお名前や体調が含まれるため、長く持たない設計にしています。
外国人スタッフのために、母国語に訳せます
整理したメモは、🌐 選んだ言語に翻訳で母国語の表示に切り替えられます。日本語の申し送りを聞き取りきれなかったスタッフが、自分の言葉であとから確かめられます。
翻訳はあくまで補助です。大切な指示は日本語の原文と一緒に、口頭でも確認していただく使い方を想定しています。
入力した内容は、この端末の中だけ
ご入居者のお名前や申し送りの中身は、その端末(ブラウザ)の中だけに保存されます。どこかのサーバーに集めることはありません。申し送りは60日、録音の声は7日で自動的に消えます。
AIに送るのは、お名前を①②に伏せた文だけです。ただし名簿に登録していないお名前は伏せられませんので、ご入居者はあらかじめ登録してからお使いください。施設で管理している端末・画面ロックのある端末でお使いいただくことを前提にしています。
つまずいたところも、正直に書いておきます
最初は「話しながら画面に文字が出る」方式で作っていました。そのほうが気持ちいいからです。ところがAndroidの端末で、録音の保存と同時には使えないことが分かりました。マイクを取り合ってしまうためです。文字は出るのに声が残らない、という中途半端な状態になります。
そこで、「録音する → 止めるとAIが文字起こしする」方式に作り替えました。話している最中に文字は出ませんが、マイクは録音だけが使うので確実で、声も文字も両方きちんと残ります。見た目の派手さより、現場で失敗しないほうを取っています。
相づちの扱いも直しました。実際の申し送りを文字にすると「はい。」「うん。」が延々と並び、肝心の中身が埋もれます。今は自動でまとめて圧縮しています。
「ボード」との使い分け
申し送りのツールはもう1つ、やさしい申し送りボードがあります。名前が似ているので、使い分けを書いておきます。
- やさしい申し送りメモ(この記事)=受ける側・書く側のツール。話を録音して、整理されたメモ・A4の用紙にする
- やさしい申し送りボード=伝える側のツール。ご入居者ごとのカードを画面に出し、やさしい日本語と母国語を見せながら伝える
「書く手間をなくしたい」ならメモ、「外国人スタッフに確実に伝えたい」ならボードです。両方無料なので、まず両方開いてみて、現場に合うほうを使っていただければと思います。
特養など「入所施設」の申し送り向けです
24時間の暮らしを引き継ぐ特養などの入所施設の申し送りを想定して作っています(デイサービスのように一日でお帰りいただく形とは、申し送りの流れが少し違うためです)。
無料・登録不要で使えます
インストールも登録もいりません。下のボタンから開いて、そのまま試せます。⚙設定に架空のデモデータを一気に入れるボタンがあるので、まずはそれで画面の雰囲気だけ触ってみてください。
介護現場16年目・生活相談員11年目。申し送りを聞きながらメモを取る時間が、そのままご入居者のそばにいられない時間になっているのが、ずっと気になっていました。使ってみて「ここが使いにくい」「この形式で印刷したい」などあれば、ツール内の💬ボタンからいつでも教えてください。少しずつ、現場に合う形に育てていきます。
👤 この記事を書いた人
レイレイ|介護現場16年目・生活相談員11年目
介護福祉士/兵庫県内のデイサービスで現役勤務
赤字経営のデイサービスを黒字化した経験から、稼働率改善・AI活用・記録業務の時短など、現場で本当に使える工夫を発信中。「教科書には載っていない現場のリアル」をお届けします。
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▶ ツールリクエストの送り方を見る
申し送りが整理できたら、次に出てくるのが「では、それをどう記録に書くか」です。
そちらは別の無料ツールタップで介護記録にまとめてあります。当てはまるものをタップしていくと、記録の下書きができます。登録は要りません。


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