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介護保険法改正案が衆院で可決|2027年施行に向けて押さえたい3本柱と27項目の附帯決議

介護保険制度

こんにちは、レイレイです。デイサービスの相談員になって11年目、現役で続けています。

業界紙の シルバー新報(2026年5月29日号) で大きく取り上げられたニュースが、もうひとつあります。介護保険法等の改正案が衆院本会議で可決され、27項目の附帯決議が採択された——というものです。

「法案可決」のニュースは目にしても、付け加えられた「附帯決議」までは流れてこないことが多いと思います。でも、ここに 現場の運用に効いてくるエッセンス が詰まっています。今日は、改正案の3本柱と、附帯決議の意味を、デイ・居宅の目線でやさしく整理してみます。

※本記事は、シルバー新報の報道、介護ニュースJointの解説、ケアニュース等の公開情報をもとに整理したものです。詳細な要件や施行時期は、今後の通知・パブコメ等で必ずご確認ください。


まず結論:改正案には「3本の柱」がある

  • 柱① ケアマネジャーの更新制廃止(代わりに都道府県研修の受講を義務化)
  • 柱② 中山間・人口減少地域の特例サービス創設(特定地域サービス・特定地域居宅サービス等事業)
  • 柱③ 住宅型有料老人ホームの登録制導入(中重度の方を受け入れる場合の事前規制)

このほかに、電子資格確認の導入や、国・都道府県の責務として「生産性向上」「人材確保」「経営基盤の安定」を明記する条文も盛り込まれています。施行日は 原則2027年(令和9年)4月1日、一部は段階施行とされています。


柱① ケアマネジャーの更新制廃止

居宅介護支援に関わる方にとっては、いちばん気になる項目ではないでしょうか。これまでケアマネジャーは 5年ごとに更新研修を受けて、資格を維持する しくみでした。改正後はこの「更新制」が廃止されます。

ただし、研修がなくなるわけではありません。代わりに、都道府県が実施する研修の受講が義務付けられます。正当な理由なく受講しない場合は、都道府県が 1年以内の業務従事を禁じる ことができる、という規定も整備されています。

  • 狙い:「更新できなくて資格を失う」というプレッシャーを減らしつつ、研修によるスキル維持は確保する
  • 現場への影響:更新研修の事前申込・受講時期管理から、都道府県カリキュラムへの対応に変わる
  • 論点:受講できないケアマネを発生させないよう、研修機会の地域差を埋める運用が必要になる

長年の業界要望が、ようやくかたちになる項目です。一方で、「更新制を外したぶん、研修の質をどう担保するか」は、これからの議論のテーマになります。


柱② 中山間・人口減少地域の特例サービス

地方や離島で「サービス事業者が足りない」という現実に対応するため、2つの新しい枠組みが用意されます。

特定地域サービス

中山間・人口減少地域で、配置基準や評価のしくみを地域の実情に合わせて緩める ことができる特例のサービス類型です。今のままでは事業所が立ち行かない地域でも、サービスを継続できる工夫を行政側が用意するイメージです。

特定地域居宅サービス等事業

地域に サービス提供主体が極端に少ない場合、市町村が事業として居宅介護サービス等を実施できる制度です。「民間が出てこないなら市町村が直接担う」道筋を整える、というしくみです。

  • 狙い:地域差で介護難民を出さない
  • 論点:弾力化した結果、サービスの質や職員の負担がどう変わるかを丁寧に検証する必要がある

この点については、後述する 附帯決議 のなかでも「中山間地域のサービスの質や介護職の負担への影響を十分に検証すること」が求められています。


柱③ 住宅型有料老人ホームの登録制

これは、以前 住宅型有料老人ホームと特養の違いの記事 でも触れた話題です。改正案では、中重度の要介護者を入居させる住宅型ホーム について、都道府県等への 登録制度 が導入されます。

  • これまでの届出制から、5年ごとに更新する 登録制
  • 登録施設介護支援 を新設し、原則1割の利用者負担を設定
  • 囲い込み防止 のために、併設利用を入居要件にする行為などを禁止する方向

「住まいの提供」としてスタートしたサービスが、実態として介護機能を抱えていた現状を踏まえ、規制レベルを引き上げる 方向の見直しです。住宅型ホームから通われているデイのご利用者の運用にも、間接的に影響してきそうな話題です。


「27項目の附帯決議」って、そもそも何?

法律本文が「これをやります」と決めるのに対して、附帯決議は「こういう点に気をつけてやってください」という、国会から政府への 要望書 のようなものです。法的拘束力はありませんが、その後の通知・運用ガイドラインを作るときの方向性を示す重要な文書になります。

今回採択された27項目のうち、現場目線で見逃したくないポイントとして、シルバー新報や介護ニュースJointが取り上げているのは主に2つです。

① 中山間・人口減少地域の検証

新しい 特定地域サービス の運用について、「サービスの質や介護職の負担への影響を十分に検証すること」が求められています。配置基準を緩める方向の改正だからこそ、現場の声を反映した検証が大事、という趣旨です。

② 囲い込み対策の実効性

住宅型ホームについて、「囲い込みへの対策の実効性を担保すること」が求められています。条文に書くだけで終わらせず、運用面でちゃんと機能するように、というメッセージです。

27項目全文は公開されている範囲では確認しきれませんが、おおむね (1) 法律本文ではカバーしきれない運用面の懸念、(2) 検証・モニタリングの強化、(3) 現場の負担軽減や処遇への配慮 といったテーマが並ぶのが一般的です。これからの通知の文面に、こうした附帯決議の内容がどう反映されるかを、現場としては見ていく価値があります。


デイ・居宅の現場で、押さえておきたいこと

  • 居宅のケアマネさん:更新制廃止の代わりに、都道府県研修の義務付けが入ります。「いつ・どんなテーマで・どこで」が地域によって違ってくるので、所属する協会・行政の案内をこまめにチェックしておきたいところ。
  • デイサービスの相談員:直接的な影響は小さい印象ですが、住宅型ホームから通われている方のサービス連携や、地域包括ケアの枠組みが少しずつ変わってきます。提携先の動きと、行政の説明会には参加しておくと安心です。
  • 施設の管理者・経営層:中山間・人口減少地域に事業所がある場合、特定地域サービスの活用可能性を法人本部と早めに検討しておく価値があります。
  • 地域包括・行政連携の方:自治体ごとに運用が分かれる可能性があるテーマです。地域ケア会議などで、自治体の方針をこまめに共有していくフェーズに入ります。
  • 新人スタッフ・実習生:「介護保険法ってまた変わるの?」と聞かれたら、「2027年4月から、ケアマネさんの更新研修の仕組みが変わり、地方の特例サービスが新設されます」くらいの一行サマリーを伝えられると安心です。

どの立場でも共通するのは、「慌てて何かを変える時期ではなく、施行までの約11か月でじっくり情報を集める時期」 ということです。施行日が見えているぶん、準備期間はちゃんとあります。


これからのスケジュール感

時期 出来事
2026年5月22日衆院厚労委で改正案を原案可決+27項目の附帯決議採択
2026年5月下旬衆院本会議で可決(→参院へ)
2026年6月〜参院での審議・採決見込み/2026年6月の介護報酬改定も同時進行
2026年後半〜2027年省令・通知・運営基準などの整備、パブリックコメント
2027年4月1日原則施行(一部は段階施行)

ざっくり覚え方

柱① ケアマネさんの更新制が廃止/代わりに都道府県研修

柱② 中山間・人口減少地域に特例サービスを新設

柱③ 住宅型有料老人ホームに登録制を導入

附帯決議 27項目で「運用面の検証と質の担保」を要請

施行 原則2027年4月1日(一部段階施行)

この5行を覚えておけば、研修・職員会議・ご家族からの質問にも、迷わずお答えできます。


まとめ

  • 2026年5月22日、介護保険法等の改正案が衆院厚労委で原案可決。27項目の附帯決議も採択された
  • 改正案の柱は「ケアマネの更新制廃止」「中山間・人口減少地域の特例」「住宅型ホームの登録制」の3本
  • 附帯決議は法律本文ではカバーしきれない 運用面の懸念に念押し する文書。今後の通知づくりに効いてくる
  • 原則施行は 2027年4月1日。施行までの約11か月で、地域・事業所ごとの対応を整えていくフェーズ
  • シルバー新報・介護ニュースJoint・ケアニュースなど、業界紙の続報を 1〜2か月に1度のペースで チェックしておくのがおすすめ

制度は大きく動きますが、原則施行までは時間があります。「正しく知って、自分の現場に落とし込む準備をする」 という気持ちで、落ち着いて続報を追っていきましょう。私もまた、わかりやすく整理した記事を書いていきます。

※本記事は、シルバー新報(2026年5月29日号)、介護ニュースJoint「介護保険法などの改正案、衆院厚労委で可決 27項目の附帯決議も」ケアニュース「介護保険法改正案 ケアマネ更新制廃止…」 を参照し、デイ・居宅の現場目線でかみ砕いて整理したものです。正確な法令・通知内容は、必ず原典資料をご確認ください。

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—— レイレイ(デイサービス相談員)

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